不動産を売却する
売却時のポイント
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売却価格について
自宅を売却する場合、いくらで売れるかを調べることから始めます。ただし、「売りたい価格」と「売れる価格」とは必ずしも一致しません。誰もが自宅を売るときは高く売りたいので、「希望売却価格」は高めになります。一方、不動産会社に依頼して出してもらう「査定価格」は、プロがこの価格なら売れると判断した価格で、「希望売却価格」にくらべて低目の価格になります。
査定は売買仲介業務を行っている多くの不動産会社が無料でしてくれます。査定価格の根拠を説明してもらい、その上で売却を依頼するほうが良いでしょう。 -
買換える場合は売るのが先か
今の住まいの売却と買換える住宅の購入とは並行的に進めていくのが理想です。しかし、現実にはどちらかを先に進めなければならないケースがほとんどです。
売却を先に進めた場合は、売却価格(成約価格)が決まってから買換えの住宅を探すことになるので、資金計画に狂いがなく、安全に取引を進めることができます。しかし、売却が決まっているので、自宅を引き渡すまでに次の住宅を決めなければなりませんし、仮住まいが必要になるケースもあります。
購入を先に進めた場合は、自宅の引渡時期を気にせず、買換え先の住宅をじっくり探せます。しかし、売り急ぐために売却価格を大幅に引き下げなければならないケースや、売却が長引いたために売却する住宅と買換える住宅との二重のローンを背負うこともあります。 -
売却(買い換え)にかかる税金
今の住まいを売った結果、売却益が出た場合は、その売却益(譲渡所得)に対して所得税がかかります。この譲渡所得に対する課税の特例には、以下の3つがあります。なお、特例を受けるには確定申告をする必要があります。
3,000万円特別控除
譲渡所得から最高3,000万円まで課税の免除を受けることができます。なお、この特例の適用を受けると「住宅ローン控除」「特定の居住用財産の買換え特例」は使えなくなります。この特例の適用を受けるには、次のような要件(概要)を満たす必要があります。
居住の用に供しなくなった日から
3年後の12月31日までに譲渡すること直系血族など特別の関係に
ある者への譲渡でないこと売却の前年、前々年に
この制度の適用を受けていないこと
居住用財産の譲渡の低率課税(軽減税率)
所有期間が10年を超えていると3,000万円の特別控除だけでなく、居住用財産の譲渡の低率(分離)課税の適用も受けることができます。
特定の居住用財産の買換え特例
現在の住まい(譲渡資産)を売却し、新しい住まい(買換資産)に買換えた場合に、買換え資産の価格が譲渡資産の譲渡価格以上の場合、譲渡所得がなかったものとされ所得税はかかりません。
所有期間が10年を超える
居住用財産を譲渡すること本人がその建物に
通算して10年以上居住していること直系血族など特別の関係に
ある者への譲渡でないこと買換えた建物の居住用部分の面積が
50㎡以上240㎡以下であること
売却の流れ
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STEP 1
相談
不動産の売却は、一生のうちに何度もあることではありません。
お客様がご所有の不動産は、ひとつとして同じものはありません。そのため、売却にかかる諸費用や手続き、売却方法などはそれぞれ異なります。「不動産の売却は初めて」という方が多いと思います。分からない点は、遠慮なく質問してください。 -
STEP 2
査定
売却されるお住まいを調査した上で、市場動向や周辺の取引事例から査定価格を算出します。
査定価格は「販売価格」ではなく、販売活動を行ってからおおむね3か月以内に売却可能と思われる「成約予想価格」となっています。販売価格は低すぎても困りますし、逆に高すぎても買い手がつきません。
お客さまの売却希望価格を基本として、査定価格を参考にしながら販売価格をご提案します。 -
STEP 3
価格の決定・媒介契約の締結
査定価格を参考にして、販売価格を決定します。売却にかかる諸費用や税金なども確認した上で、売却後の「手取額」を事前に把握して売却をします。
また、査定価格と希望価格に開きがある場合には、希望価格ははっきりと伝えましょう。希望価格に沿ったアドバイスや不動産市場の今後の見通しなどの説明を受けた上で、販売価格を決定することが重要です。
正式にご売却が決まれば、査定価格を参考に売り出し価格を決定し、媒介契約を締結していただきます。 -
STEP 4
物件の販売活動
ご売却の条件にあった購入希望者を探します。より多くの買主さまに対してお客さま(売主)の物件を告知するため、インターネットをはじめとする広告活動を実施します。
購入希望者が見つかり次第、ご紹介いたします。 また、お客様のご都合に合わせて購入希望者にお住まいを見ていただきます。 -
STEP 5
契約条件の調整
購入希望者から正式に購入の意思表示があれば、ご売却条件やお引渡し日、支払方法などの具体的な契約条件の調整をいたします。
契約条件の調整には、価格交渉(値引交渉のこと)、引渡しの日程の調整(買主に物件の引渡しを行う日を決めます)、付帯設備(エアコンや照明器具などの付帯設備を置いていくのか、撤去するか?) などのケースがあります。 -
STEP 6
不動産売買契約の締結
購入希望者(買主)と契約条件について合意すれば、不動産売買契約を 締結し、買主から契約で定められた手付金を受領します。
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STEP 7
残代金の受領・引渡し
残代金を受け取り、固定資産税を精算して所有権移転登記の申請をします。最後に買主に鍵を渡し、引渡し完了です。
媒介契約制度について
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宅地または建物の売買または交換等をしようとする場合、
自分の希望する条件(価格、引渡し時期等)に合った適当な相手方を、
広い範囲から探し出すことは極めて困難です。
そこで、これらの取引をする際に、両者の間をとりもつことを
専門としている宅地建物取引業者に依頼する契約のことを「媒介契約」といいます。
宅地建物取引業者は、宅地または建物の売買または交換に関する媒介契約を締結したときは、
後日、媒介契約の存否、内容、報酬等をめぐって紛争等の生ずるのを防止するため、遅滞なく、
一定の契約内容を記載した書面を作成し(媒介契約の内容の書面化)、
依頼者に交付することが義務付けられています(宅地建物取引業業法34条の2)。
媒介契約には
・専属専任媒介契約・専任媒介契約・一般媒介契約(明示型・非明示型)
の3タイプがあり、それぞれに次のような特徴があります。
専属専任媒介契約
依頼者 | 依頼した業者以外の業者に媒介を重ねて依頼することができない 自分で見つけてきた相手方と業者を介さずに売買契約を締結することができない |
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メリット | 定期的報告(1週間に1回以上)があるので現状が把握しやすくなる |
デメリット | 売主は、自ら見付けた相手方であっても必ず依頼した業者を通じて売買契約をしなければならない 契約期間中は、他の業者には依頼できない |
業者 | 物件を指定流通機構に登録し業務処理状況を1週間に1回以上依頼者に報告する必要がある |
専任媒介契約
依頼者 | 依頼した業者以外の業者に媒介を重ねて依頼することができない 自分で見つけた相手方とならば業者を介さずに売買契約などを締結することができる |
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メリット | 定期的報告(2週間に1回以上)があるので現状が把握しやすくなる 自ら見つけた相手方とならば、依頼した業者を通さずに売買契約を行うことも可能 |
デメリット | 契約期間中は、他の業者には依頼できない |
業者 | 物件を指定流通機構に登録し業務処理状況を2週間に1回以上依頼者に報告する必要がある |
一般媒介契約
依頼者 | 媒介を依頼した業者以外の業者に重ねて依頼することができる 依頼した会社を明らかにする明示型と明らかにしない非明示型を選択することができる |
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メリット | 複数の不動産業者に依頼することができる 自ら見つけた相手と契約ができる |
デメリット | 誰とでも取引できるので、取引知識の欠如からトラブルを招かないように注意が必要 業者に何の義務も無いため、報告がなければ状況が把握しにくく、業者間の調整連絡が面倒 |
業者 | 指定流通機構への物件の登録義務や業務処理状況報告義務を負わない |